ねぎらい学アカデミーは、職場や家庭での対人関係の悩みを感謝で解決!「感謝の処方箋」

問題ある社員の、問題がなくなったとき

先回のブログで、

「生まれつき、ネガティブな赤ちゃんはいない」

と書きました。

人の人格とか、性格とか、習慣とか、クセとかは、

昨日や今日、形成されたものではなく、

それこそ、生まれ育った環境から、

幼少期、思春期を過ごした学校生活、

社会に出てからも、所属した組織の風土や、

関わるネットワークやコミュ二ティ、

家庭環境の変化によっても、

「今の自分」を創りだす、ピースになり得るのです。

 

自分がまだ、某アパレル企業のエリアマネージャーをしていたときのこと。

ある担当先の店長から相談を受けました。

 

「Sさんが、最近、遅刻が多くて、、

実は隠れて、アルバイトしてることがわかりまして・・・」

 

 

当時、副業は禁止されていました。

Sさんは、その店で一番の販売実績を誇る、

次期店長候補でした。

将来も期待されていた彼女が、、、どうしてバイトなんて、、、。

ルールを破るような子には、決して見えなかったのです。

 

私はすぐに、Sさんと面談をし、

事情を聴く場をつくりました。

 

Sさんは、最初、なかなか話してくれませんでしたが、

 

「理由を教えてもらえないと、、、残念ながら、

アルバイトを辞めてもらうしかなくなってしまう。。。

あなたのことだから、余程の理由があると思うんだけど、、、どうかな?」

 

ようやく、Sさんは、重い口を開きました。

 

Sさんの家は母子家庭でした。

お母さんが、いくつもパートを掛け持ちしながら、

弟さんの大学の学費を払っていらっしゃったそうです。

ところが、お母さんの無理が祟り、

身体を壊し、緊急入院。

今も、入退院を繰り返していらっしゃる、とのことでした。

 

「今は、私しか、稼ぐ人間がいないんです。

バイト禁止だって知ってましたが、どうしてもお金がいるし、

このお店、辞めたくなくて、、、。

もう、絶対、遅刻はしません。

ので、バイトを続けさせて頂けないでしょうか。。。。」

 

 

この話を聴かなければ、

恐らく、

Sさんにバイトを辞めてもらうか、

お店を辞めてもらうか、の選択肢しか、なかったように思います。

 

 

 

もはや、時効なので、話してしまいますが、

結果、Sさんにはバイトを続けてもらうことになりました。

完全に社内規定違反なので、

もし、バレたら、それを容認した私も処罰を受けることになっていたでしょう。

 

でも、私はどうしても、

深夜2時、3時までバイトをし、

家に帰ってお母さんの看病のほか、

家事全般をこなし、

店に出勤してくることさえ相当しんどいはずのSさんが、

お店に立つと、本当に生き生きと接客をしてくれることに対し、

ただただ、ねぎらうことしか、できなかったのです。

 

 

「、、、よく頑張ってきましたね。辛かったね」

 

そう一言いうと、

Sさんは、泣き崩れてしまいました。

 

 

その後、私は店長と何度も話し合いを重ね、

また、店のスタッフ一人一人とも話をし、

Sさんの事情を伝え、

どうか、みんなでSさんの力になってもらえないか、頭を下げました。

幸い、本当に心優しいスタッフばかりで(本当にその節は、ありがとうございました!)

 

「そういうことなら、力になります!」

「最近、Sさん疲れてそうだったんで、心配してたんですよ」

と、言ってくれ、

私と店長の「企み」?に賛同してくれました。

 

遅刻も、

社内規定違反も、

決して褒められることではないし、

むしろ、処罰の対象です。

 

でも、Sさんがこれまで歩んできた道、

ある母子家庭の、いまや大黒柱となった背景を知れば、

 

「よく頑張ってきましたね」

という、ねぎらいの言葉しか出てこないのです。

 

その後、無事、Sさんのお母様は、体調を取り戻し、

約半年間ののち、Sさんは、無事バイトを卒業しました。

 

結果論でしかありませんが、

私たちは、貴重な人材を辞めさせることなく、

また、一層、絆の深まったチームを手に入れることができました。

 

 

来し方をねぎらうことで、

表面的なことに捉われず、

その奥にある、背景や

本人が大切にしていることを、ちゃんと分かち合うことが出来るのです。

 

今日の一冊

 

「職場も家庭もうまくいくねぎらいの魔法」(角川学芸出版)

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